皆さん、こんにちは!
13期マイスター。おかぴーです。
本日、職場の本棚を整頓していたら、思い出深い絵本が出てきました。
「テーブルマナーの絵本」 作・絵:高野紀子 出版社:あすなろ書房
私の職場は、「重症心身障害」のお子さんの通う事業所です。
先天性の障害から、事故や病気による中途障害、そして、進行性の病気の方など、いろいろな方が来ています。
進行性の病気のお子さんで、Aちゃんというお子さんがいました。
小学校までは、元気いっぱい走り回っていて、小鳥のようにおしゃべりで、食べることが大好きなお子さんでしたが、病気が進行するにつれて、歩くことも話すことも、そして、食べることも難しくなってしまいました。
病気が進行し、思うように動けなくなる不安の中、彼女の気持ちを明るくさせるものの一つに「食べ物の絵本」がありました。
最初、私は「食べることが大好きなのに、食べられなくなってしまったのだから、食べ物の絵本はつらいかな…」と思っていたのですが、私の思いと裏腹に、彼女は食べ物の絵本を読んで欲しがりました。
この絵本は、数ある食べ物の絵本の中でも、特に私と一緒に楽しんだ彼女のお気に入りの一冊でした。
食べ物の絵本を見て、お料理の真似をしたり、「どの果物が好き?」という私の質問に指さしで答えたり、食べる真似をしたり、大好きな梅干しを指さして笑顔になったり・・・。
私たちは、心で匂いを感じ、味を感じました。
たくさんたくさん、絵本を心で味わいました。
そして今年、彼女はお空に旅立ちました。
もうすぐ、高校を卒業という若さでした。
絵本は、食べられなくなってしまったAちゃんに、食べることの楽しさを感じさせてくれました。
そして、同じ絵本が、私に彼女との大切な思い出を作ってくれました。
明日私は、この本をちびっこたちに読んであげようと思います。
彼女との思い出を胸に、新しい子供たちとの思い出を重ねる。
こうして、紡がれる絵本の思い出。
大切に大切にしていこうと思います。
作成者:Y・O
